地元に親しまれる小樽中央市場への観光客の呼び込みとビジネスの可能性

小樽には、地元に親しまれる小樽中央市場があります。この中央市場でのビジネスを考えてみました。

地元に根差した地元の市場

小樽中央市場は、3棟の建物から成る細長~い昭和の雰囲気が濃く残る市場です。歴史は古く昭和28年に第一棟目の建設に着手し、約3年かけて全3棟の建設が完了しました。
古くから地元に親しまれている市場で、場所もJR小樽駅から徒歩約3分という立地に存在します。小樽で有名な三角市場とは道路一本を挟んで向かい合っていますが、中央市場は観光客向けの市場ではなく地元向けの市場の為、価格も品ぞろえも地元をターゲットにした内容になっています。

小樽中央市場の特徴

小樽中央市場
▲ 3棟の建物から成る小樽市場は、長い一本の通路で作られています。その長さは約180メートルほどあります。

小樽中央市場
▲ 店舗は、鮮魚店・海産物・青果・惣菜・米屋・肉屋と食品関連だけではなく花屋なども有ります。

小樽中央市場
▲ 価格設定は、地元客向けなので観光客向けの市場やお店よりも安くなっています。

地元向けの市場の為、観光客はほとんどいなくて一般客も少ない。お店の方は自分のペースで仕事をしている感じで、観光客向けの市場の様に通る客に声をかけることも余りありません。

活気がなく空き店舗が目立つ

ほかの市場同様に買い物客はすくなく空き店舗が目立ちます。
手宮市場が閉鎖されたように、この中央市場も今のままでは同じ道をたどると思います。しかも、建物自体の老朽化もあるので、手宮市場の様に閉鎖後にホテルに改修。などとは行かずに、閉鎖されれば、数年後には取壊しになる可能性が高いと思います。
建物の上階は、賃貸物件になっていますが建物の老朽化などを考えれば、それも長くは出来ないかと思われます。

観光客向けの市場である三角市場には、多くの観光客が来ていますが小樽中央市場には観光客が来ていないのがもったいないです。
元々、地元向けの市場の為、「観光客に大勢来てもらおう!」という感じではないのでしょうが、この昭和の雰囲気いっぱいの市場にも客が来てほしいですね。


▲ 三角市場の観光客が1分の道に流れる仕組みを考える。

立地も三角市場と道路一本挟んだだけなので、三角市場から中央市場への人の流れを作れば、中央市場にも観光客のが流れてきて今よりも活気が出ると思います。

観光客を呼び込むには

道路を挟んだ向かいの三角市場には、観光客が大勢るわけだからその観光客に、中央市場への興味を持たせます。これは、少しの工夫で可能です。

現状で三角市場からの観光客が、まったく中央市場へ流れてこないのは、中央市場が目立たない。観光客は市場であることすら認識できていない!ことも原因だろうと思います。

例えば、三角市場
三角市場
▲ この様に、とてもわかりやすい看板を付けているのに対して、

中央市場の正面
▲ 中央市場は、こんな感じ。市場に近づかないと市場とわからない。

三角市場から中央市場
▲ 三角市場からは、道路を挟んで少し斜めの位置にあるので、三角市場を出た観光客がパッと見ても市場であることに気づきにくい。これでは、行ってみようという気にもならない。

観光客の注意を引く

▼ 例えば三角市場を真似て、わかりやすい看板を取り付ける。(イメージ)
中央市場に看板を付ける

中央市場に看板を付ける
▲ 三角市場の一から見た場合(イメージ)

さらに「大売出し」の旗を数本立てるのも良いかと思います。あからさまに三角市場の観光客を呼び込もうとする意図がわかりやすくて効果的です。

こうすることで、三角市場から外に出た観光客に道路を挟んだ中央市場の存在を知らせることが出来ます。

三角市場が、道路の反対側にも続いている様な感じです。これだけで、全く人の流れが無かったところに流れを生み出すことが出来ます。

この看板を見て、興味を持って中央市場にも来る観光客は居ます。最初は来る人数が少なくてもかまわない、大切なのは数人の客でも良いから人の流れを作ることです。

観光客の集客

小樽には年間約800万人前後の観光客が訪れるので、観光客をターゲットにしたビジネスは集客次第です。既に観光客は居るのだから後は、如何にして集客に結び付けるか?人の流れを作るか?です。
こうして、わずかでも人の流れが出来ると、つぎに商売のチャンスがうまれます。

店舗利用

中央市場は、空き店舗があるのでその店舗を利用して、流れてきた観光客相手の商売が可能です。
それこそ、三角市場を真似して海鮮丼のお店だって可能だと思います。また、市場だからと言って、食材の販売にこだわる必要はなく「商売になる!」と思ったお店を出せばよいと思います。
現に、中央市場の三角市場方面の入り口には硝子工房の店舗が有り、「吹きガラスの体験」なども出来ます。

体験型のお店や工房は、子供や女性にも人気がありますので人を呼ぶには良い店舗だと思います。
私が通りがかった時には、中国人観光客?の子供たちが、学習体験をしている様でした。

この様な店舗が増えることで、さらに人が来やすくなり市場全体が活気づくきっかけになりますね。

最後に、閉店時間に関して

ちなみに小樽のお店も、地方特有の早い時間に店が閉まります。一般の商店は午後6時には店じまいし、飲食店でも9時まで営業しているお店は少ないです。これは都心部に住んでいるから、店が閉まるのが早いと感じるだけで、小樽に住んでいる人にとっては当たり前なので、「店仕舞いが早い」とは思っていないのです。

都心部では、飲食店は11時前後でラストオーダーのお店が多いのでそこに住む人にとっては、11時まで営業していて当たり前になっているので、地方都市とのギャップが存在します。
その為、小樽で飲食店を出す場合は、少し遅い時間まで営業していると他店との差別化が出来て集客にも繋がると思います。その点、小樽の商人は自分(小樽)のペースで商売をしているので勿体ないですね。